「お前に感謝」 我妻の細腕をとり、 その手折れば折れそうなそのか細さに いったいその細身のいずこから 力強い生命を宿し産み落とす力が出るのかと感心する。 その細腕を手折れよとばかりに強引に 引き寄せ抱きしめた日は 若き日の遠い過去 軽く指が一周するより余る手首の細さよ 今は優しく手をとり 招くように 抱き寄せ お前が側にいることを感謝す。 藤次郎正秀